ゲームの二重ルーター状態は、2台のルーターのうち1台を「ブリッジモード」または「アクセスポイント(AP)モード」に切り替えると解消できます。ただし、ONU一体型ホームゲートウェイと市販ルーターを使っている場合は、どちらをルーターとして残すかを先に決める必要があります。設定変更後は、ゲーム機のNATタイプやオンライン対戦への接続を確認してください。
ゲームにおける二重ルーターとは
二重ルーターとは、インターネット接続の経路にルーター機能を持つ機器が2台あり、両方がルーターとして動作している状態です。たとえば、次のような接続です。
- インターネット回線
- ONUやホームゲートウェイ
- 市販のWi-Fiルーター
- ゲーム機
ホームゲートウェイと市販ルーターの両方で、IPアドレスの割り当てやアドレス変換(NAT)が行われると、二重ルーターになります。
二重ルーターだから必ずゲームができないわけではありません。しかし、NATタイプが「厳しい」「タイプ3」になる、ボイスチャットにつながらない、特定のプレイヤーとマッチングできないなどの問題が起きることがあります。
最初に確認すること
まず、インターネット回線からゲーム機までに、ルーター機能を持つ機器が2台あるか確認します。Wi-Fiの電波を飛ばしている機器が必ずルーターとは限らないため、機器の動作モードを確認してください。
- 回線に接続されたONU、ホームゲートウェイ、モデムを確認する。
- その先に市販のWi-FiルーターやメッシュWi-Fi機器が接続されているか確認する。
- 各機器の設定画面で、ルーターモード、ブリッジモード、APモードのどれになっているか確認する。
- 市販ルーターのインターネット側に、プライベートIPアドレスが表示されているか確認する。
ホームゲートウェイと市販ルーターの両方がルーターモードなら、二重ルーターの可能性が高いと判断できます。ただし、IPv6接続方式や通信事業者側の構成によっては、見た目だけでは判断しにくい場合があります。
二重ルーターを解消する基本手順
一般的には、どちらか一方だけをルーターとして動作させ、もう一方をブリッジモードまたはAPモードにします。設定変更の順番は次のとおりです。
- 現在の接続状態やWi-Fi設定を控える。
- ルーターとして残す機器を決める。
- もう一方の機器をブリッジモードまたはAPモードに変更する。
- 機器を再起動する。
- ゲーム機のNATタイプとオンライン機能を確認する。
1. ルーターとして残す機器を決める
市販ルーターの機能を使いたい場合は、市販ルーターをルーターとして残し、ホームゲートウェイをブリッジモードにする構成が候補になります。
一方、回線事業者のホームゲートウェイでIPv6接続や電話サービスを利用している場合は、ホームゲートウェイをルーターとして残し、市販ルーターをAPモードにする構成が扱いやすいことがあります。
電話サービス、IPv6接続、ひかりテレビなどを利用している場合は、ホームゲートウェイを無効化すると通信やサービスに影響する可能性があります。機器の説明書や回線事業者の案内で、変更してよい機能を確認してください。
2. 市販ルーターをAPモードにする
ホームゲートウェイをルーターとして残す場合は、市販ルーターをAPモード、ブリッジモード、アクセスポイントモードのいずれかに切り替えます。名称はメーカーによって異なります。
- 市販ルーターの管理画面を開く。
- 動作モードや動作モード切替の設定を開く。
- 「AP」「アクセスポイント」「ブリッジ」などのモードを選ぶ。
- 設定を保存し、必要に応じてルーターを再起動する。
- ゲーム機を市販ルーターのWi-FiまたはLANポートに接続する。
APモードでは、市販ルーターは主にWi-Fiや有線LANを提供する機器として動作します。IPアドレスの割り当てやNATは、上流側のホームゲートウェイが担当します。
3. ホームゲートウェイをブリッジモードにする
市販ルーターをルーターとして使う場合は、ホームゲートウェイ側のルーター機能を停止してブリッジ接続にします。ただし、ホームゲートウェイの機種や回線サービスによっては、利用者がブリッジモードへ変更できないことがあります。
ブリッジモードへの変更方法は機種ごとに異なります。管理画面で「ブリッジ」「ルーター機能停止」「PPPoEブリッジ」などの設定を探しますが、項目が分からない場合は、設定を変更する前に回線事業者や機器メーカーの案内を確認してください。
ホームゲートウェイのルーター機能を停止すると、IPv6接続や電話サービスなども同時に変更される場合があります。設定前に、現在の接続方式と利用中のサービスを確認することが重要です。
設定後にゲーム機で確認する方法
設定変更後は、ゲーム機のネットワーク診断を実行し、NATタイプが改善したか確認します。表示名や判定方法はゲーム機によって異なりますが、ネットワーク設定の「接続テスト」「インターネット接続テスト」などから確認できます。
- ゲーム機のネットワーク設定を開く。
- インターネット接続テストを実行する。
- NATタイプまたは接続タイプを確認する。
- オンライン対戦、ボイスチャット、フレンドとの合流を試す。
設定変更前のNATタイプと比べて改善し、必要なオンライン機能が使えるなら、二重ルーターが原因だった可能性があります。確認時は、ゲーム機だけでなくルーターとONUまたはホームゲートウェイも再起動しておくと、古い接続情報が残る問題を避けやすくなります。
APモードにしても改善しない場合
APモードに変更してもNATタイプが改善しない場合、原因が二重ルーターとは限りません。次のような別の要因を確認してください。
- 回線事業者側で通信ポートが共有されている。
- IPv6 IPoE、DS-Lite、MAP-Eなどの接続方式を利用している。
- ホームゲートウェイやルーター側のファイアウォールが通信を制限している。
- ゲーム機、ゲームソフト、ルーターの設定が古い。
- 無線LANの電波状態や回線混雑が原因になっている。
特に、事業者側で1つのグローバルIPアドレスを複数の利用者が共有する方式では、利用者がルーターを1台にしても、外部からの着信接続を自由に設定できない場合があります。この状態は家庭内の二重ルーターとは別の問題です。
また、IPv6接続では、従来のIPv4向け設定であるポート開放やUPnPがそのまま使えるとは限りません。接続方式が分からない場合は、回線事業者の契約情報やホームゲートウェイの接続設定を確認してください。
ポート開放やDMZ設定は最後に検討する
二重ルーターを解消する前に、ポート開放やDMZ設定だけを行っても、設定が複雑になるだけで問題が解決しないことがあります。まずはルーターを1台にするか、片方をAPモードにすることを優先してください。
DMZは、指定した機器に多くの通信を転送する設定です。便利な場合がある一方、設定を誤るとゲーム機やネットワーク機器を外部からの通信にさらす可能性があります。利用する場合も、ゲーム機のIPアドレスが変わらないようにする設定や、ルーターの説明書を確認して慎重に行ってください。
どの構成を選べばよいか
| 使いたい機能・状況 | 候補となる構成 | 注意点 |
|---|---|---|
| 市販ルーターの機能を中心に使いたい | 市販ルーターをルーター、上流機器をブリッジ | 回線事業者のサービスがブリッジ接続に対応しているか確認する |
| ホームゲートウェイのIPv6や電話機能を使っている | ホームゲートウェイをルーター、市販ルーターをAP | 市販ルーターの動作モードをAPまたはブリッジにする |
| Wi-Fiの電波だけを市販機器で広げたい | ホームゲートウェイをルーター、市販機器をAP | 市販機器をルーターモードのまま使わない |
| 設定後もNATタイプが改善しない | 回線の接続方式や事業者側の制限を確認する | 家庭内の二重ルーターだけが原因とは限らない |
解消できたか判断するポイント
次の条件を満たしていれば、家庭内の二重ルーターは解消できている可能性が高いです。
- ルーターとして動作している機器が1台だけになっている。
- 市販ルーターがAPモードまたはブリッジモードになっている。
- ゲーム機の接続テストでNATタイプが改善している。
- オンライン対戦やボイスチャットが利用できる。
- 設定変更後もインターネット接続が安定している。
まずは、ホームゲートウェイと市販ルーターのどちらをルーターとして残すか決め、残さない機器をAPモードまたはブリッジモードに変更してください。それでもNATタイプやオンライン接続が改善しない場合は、二重ルーターではなく、回線の接続方式や事業者側の通信制限を確認します。







