ゲームでQoSを設定するとどんな効果がある?

ゲームでQoSを設定するとどんな効果がある?

ゲームでQoS(Quality of Service)を設定すると、通信が混雑したときにゲームのデータを優先し、ラグや操作の遅延、通信の不安定さを抑えられる可能性があります。特に、家族が動画視聴や大容量ファイルのアップロードをしている環境で効果を期待できます。

ただし、QoSを設定しただけで通信速度やゲームサーバーまでの距離が改善するわけではありません。回線自体の遅さ、Wi-Fiの電波状態、ゲームサーバーの障害などが原因の場合は、QoSだけでは解決できないことがあります。

ゲームのQoS設定で期待できる効果

QoSの主な効果は、通信が混雑したときの遅延や不安定さを抑えることです。通常時よりも、ほかの通信が同時に行われる場面で違いが出やすくなります。

起こりやすい問題 QoSで期待できること
ゲーム中に動画再生が始まるとラグが増える ゲーム通信を優先し、遅延の増加を抑える
誰かが大容量ファイルをアップロードして操作が重くなる 通信の混雑を調整し、ゲーム通信への影響を小さくする
通信遅延が時間帯によって大きく変わる 混雑時の待ち時間や遅延のばらつきを抑える
ゲーム中にボイスチャットが途切れる ゲームや音声通信を優先できる場合がある

このように、QoSは「ゲーム通信を速くする機能」というより、限られた通信容量をどの通信に優先して使うかを調整する機能です。

QoSでラグが減る仕組み

家庭内の通信量が回線の処理能力を超えると、ルーターや通信機器にデータが一時的に大量にたまり、ゲームのパケットが待たされることがあります。この状態では、通信速度の測定値が高くても、ゲーム中の操作に遅延が出る場合があります。

QoSは、通信の優先順位を設定したり、通信量に上限を設けたりして、特定の通信が回線を占有しないように調整します。その結果、混雑時の待ち時間、いわゆるバッファブロートによる遅延を抑えられることがあります。

ただし、QoSの具体的な処理はルーターによって異なります。ゲーム機やパソコンを優先するタイプ、アプリや通信ポートを指定するタイプ、通信量を自動調整するタイプなどがあります。

QoSを設定しても改善しにくい症状

次のような原因による問題は、QoSを設定しても改善しない可能性があります。

  • ゲームサーバー自体の障害や混雑
  • ゲームサーバーまでの距離や経路による高い遅延
  • 契約回線やプロバイダー側の混雑
  • Wi-Fiの電波が弱い、または電波干渉がある
  • ルーターやゲーム機の不具合
  • 回線の通信速度がもともと不足している

また、QoSは通信の優先順位を調整する機能です。そのため、ゲームサーバーまでの物理的な距離を短くしたり、ゲームの処理速度を上げたりすることはできません。もともと混雑していない環境では、設定しても体感できる差が出ないこともあります。

ゲームでQoSを設定したほうがよい環境

QoSは、次のような環境で試す価値があります。

  • 同じ時間帯に複数人がインターネットを使う
  • 動画の視聴中や配信中にゲームのラグが増える
  • ゲーム中に大容量ファイルの送受信が行われる
  • ゲームのダウンロードやアップデート中に通信が不安定になる
  • 通信速度は足りているのに、混雑時だけ遅延が大きくなる

反対に、ゲーム機を有線LANで接続しており、ほかの通信も少なく、混雑時にも遅延が変わらない場合は、QoSの効果が小さいことがあります。

ルーターでQoSを設定する方法

設定項目の名前や手順はルーターによって異なりますが、一般的にはゲーム機やパソコンを優先端末として指定します。設定する前に、ルーターの管理画面にログインするための情報を確認してください。

  1. ゲーム機またはゲーミングPCを、できれば有線LANでルーターに接続する。
  2. ルーターの管理画面や専用アプリを開く。
  3. 「QoS」「通信の優先制御」「端末の優先順位」などの設定項目を開く。
  4. ゲーム機やパソコンを優先する端末として登録する。
  5. 回線速度を手動入力するタイプの場合は、契約上の最大速度ではなく、実際に測定した速度を基準に設定する。
  6. 設定を保存し、ゲーム中に遅延やパケットロスが改善したか確認する。

アップロード速度やダウンロード速度の入力を求められる場合、実際の速度とかけ離れた数値を設定すると、QoSが適切に働かないことがあります。時間帯を変えて複数回測定し、ルーターの説明に従って設定してください。

QoS設定で注意したいこと

ゲーム機だけを優先すると、ほかの端末の動画再生やダウンロードが遅くなる場合があります。QoSは回線容量を増やす機能ではないため、ゲーム通信を優先した分、ほかの通信に使える容量が減ることがあります。

また、複数のルーターやホームゲートウェイでQoSを有効にすると、設定が競合する場合があります。どの機器が実際にインターネット通信を制御しているかを確認し、設定は必要な機器に絞るのが基本です。

設定後に通信がかえって不安定になった場合は、QoSを一度無効にして変化を比較します。改善しなければ、Wi-Fiから有線LANへの変更、ルーターの再起動、ほかの端末による大容量通信の停止なども確認してください。

ゲームのラグ対策ではQoS以外も確認する

QoSを設定する前に、次の順番で原因を切り分けると判断しやすくなります。

  1. ゲーム機やパソコンを有線LANで接続し、Wi-Fiが原因か確認する。
  2. 同じ時間帯に、動画視聴やアップロードなどの大容量通信がないか確認する。
  3. ほかのゲームやサービスでも遅延が発生するか確認する。
  4. ゲーム内の通信状況や障害情報を確認する。
  5. 混雑時だけ問題が起きる場合に、QoSを有効にして比較する。

特定のゲームだけで問題が起きるなら、ゲームサーバーやゲーム側の通信環境が関係している可能性があります。複数のゲームやサービスで常に遅延するなら、Wi-Fi、ルーター、回線の混雑などを優先して確認します。

ゲームのQoS設定は「混雑時のラグ対策」と考える

ゲームのQoS設定には、ほかの通信で回線が混雑したときに、ゲームの遅延や不安定さを抑える効果が期待できます。特に、家庭内で複数の端末が通信する環境では試す価値があります。

一方で、QoSは通信速度そのものやゲームサーバーの状態を改善する機能ではありません。混雑時だけラグが増えるならQoS、常に遅延するなら有線LANやWi-Fi環境、回線、ゲームサーバーを順番に確認するのが判断の目安です。