テレワーク中に同時にゲームをすると遅延する主な原因は、仕事とゲームで通信回線を共有し、回線の混雑やWi-Fiの干渉が起きることです。特に、ビデオ会議の映像送信や大容量ファイルのアップロード、ゲームのダウンロードが重なると、ゲームの操作に対する反応が遅くなりやすくなります。
ただし、原因は回線速度だけとは限りません。Wi-Fiの電波状態、ルーターの処理、VPN、パソコンの負荷、ゲーム側のサーバー状況なども確認が必要です。
テレワークとゲームを同時にすると遅延する主な原因
通信回線が混雑している
テレワークでは、ビデオ会議、クラウドサービスへの接続、ファイルの送受信などで通信を使います。ゲームもプレイ中は通信を行うため、同じ時間帯に複数の通信が集中すると、データの送受信に待ち時間が生じます。
ゲーム本体の通信量は、映像配信や大容量ファイルの転送ほど大きくない場合があります。しかし、通信が混雑すると、ゲームのデータが順番待ちになり、操作してから画面に反映されるまでの時間が長くなることがあります。
ビデオ会議のアップロードが回線を圧迫している
ビデオ会議では、自分のカメラ映像やマイク音声を相手へ送信します。この上り通信(アップロード)が混雑すると、ゲームの通信にも影響することがあります。
インターネット回線は、ダウンロードとアップロードで使える通信量が異なる場合があります。下り速度が十分に見えても、上り通信が混雑していれば、ゲームの遅延やビデオ会議の音声・映像の乱れが起きる可能性があります。
Wi-Fiの電波が不安定になっている
テレワーク用のパソコンとゲーム機を同じWi-Fiに接続している場合、無線通信の混雑や電波干渉が遅延の原因になることがあります。ルーターから離れている、壁や床を挟んでいる、電子レンジなどの電波と干渉しているといった条件でも、通信は不安定になります。
通信速度が一時的に高くても、データの再送が発生すると遅延が大きくなることがあります。ゲームでは平均速度よりも、通信が途切れず安定しているかが重要です。
ルーターの処理が追いついていない
複数の端末が同時に通信すると、ルーターがデータを処理しきれず、遅延が発生する場合があります。特に、ビデオ会議や大容量ダウンロードによってルーターの通信待ち行列が長くなると、ゲームのデータも送受信に時間がかかります。
このように、通信速度の数値は足りていても、混雑時に遅延が増える現象は一般に「バッファブロート」と呼ばれます。
VPNや会社のネットワークを経由している
テレワークでVPNを使っている場合、通信が会社のネットワークを経由することで、データの通り道が長くなることがあります。VPNの暗号化処理や会社側の混雑によって、テレワークの通信だけでなく、同じパソコンで動かしているゲームにも影響することがあります。
会社の規則でVPNの切断や設定変更が禁止されている場合があるため、業務用の接続設定は自己判断で変更しないでください。
ゲームやパソコンの処理が重くなっている
遅延に見えても、実際には通信ではなく、ゲーム機やパソコンの処理が重くなっている場合があります。テレワーク中にビデオ会議、ブラウザー、業務アプリ、ゲームを同時に動かすと、CPUやメモリーの使用量が増えます。
画面が一瞬止まる、フレームレートが低下する、音声や映像だけが遅れる場合は、通信遅延ではなく端末の処理負荷も疑います。
通信遅延か、端末やゲーム側の問題かを見分ける方法
まず、遅延が起きるときの症状を確認します。原因を切り分けるには、次のように状況を分けて見ると判断しやすくなります。
| 症状 | 考えられる原因 | 確認すること |
|---|---|---|
| 操作してから画面に反映されるまで遅い | 回線混雑、Wi-Fi、VPN、ゲームサーバー | 有線接続や別の時間帯で改善するか |
| キャラクターが瞬間移動する、位置が巻き戻る | パケットロスや通信の不安定さ | Wi-Fiの電波、ルーター、回線の状態 |
| 画面全体がカクつく | CPU・GPU・メモリー不足 | ゲーム中の端末の使用率やフレームレート |
| ビデオ会議の音声や映像も乱れる | 回線またはWi-Fiの混雑 | ゲームを終了したときに会議が安定するか |
| 特定のゲームだけ遅い | ゲーム側のサーバーや設定 | 他のオンラインゲームやサービスでも起きるか |
テレワークを終えてゲームだけを起動したときは問題がなく、ビデオ会議やファイル転送を始めると遅くなるなら、家庭内の回線やWi-Fiの混雑が原因である可能性が高まります。これは状況からの推測であり、確定には通信状態の確認が必要です。
遅延を抑えるために試す順番
設定を大きく変更する前に、影響を確認しやすい対策から試してください。
- ゲームのダウンロードやアップデートを停止する。ゲーム本体や追加データのダウンロードは通信量が大きいため、テレワーク中は自動更新を一時停止します。クラウドへのバックアップや動画のアップロードも同時に行われていないか確認します。
- ゲーム機やパソコンをLANケーブルで接続する。可能であれば、ゲームをする端末をルーターへ有線接続します。Wi-Fiが原因であれば、有線接続によって遅延や切断が改善することがあります。
- ゲーム中に使っていない端末の通信を止める。動画配信、写真の同期、大容量ファイルの転送などを停止します。家族が同じ回線で通信している場合は、時間帯を分けることも有効です。
- ビデオ会議の映像設定を下げる。業務上問題がない範囲でカメラをオフにしたり、映像品質を下げたりすると、特に上り通信の負担を減らせる場合があります。会社や会議サービスのルールがある場合は、それに従ってください。
- ルーターを再起動する。一時的な動作不良が疑われるときは、ルーターの再起動で改善することがあります。再起動後も繰り返し遅延する場合は、根本的な混雑や機器の性能を確認します。
- ゲームと業務アプリを同じ端末で動かさない。端末の処理負荷が原因なら、業務用パソコンとゲーム用のパソコンやゲーム機を分けることで改善する可能性があります。
テレワーク中にゲームをする場合の設定上の注意
オンラインゲームの通信を優先するために、ルーターのQoS(通信の優先制御)を利用できる場合があります。ただし、設定方法や効果はルーターの機種によって異なり、ゲームだけを優先するとビデオ会議や業務通信が不安定になることもあります。
また、会社支給のパソコンや業務用VPNの設定を変更したり、セキュリティソフトを停止したりするのは避けてください。業務データや社内ネットワークの安全に関わるため、必要な変更は勤務先のIT担当者へ確認します。
ゲームのプレイ中だけでなく、ゲームのアップデート中や配信中にも大きな通信が発生します。テレワークと重なる時間帯は、アップデートを先に済ませる、通信量の大きい処理を勤務時間外に行うといった分け方が現実的です。
改善しないときに確認するポイント
有線接続や大容量通信の停止を試しても遅延が続く場合は、次の順番で確認します。
- ほかのオンラインゲームや動画サービスでも遅延するか
- ゲームをしていないときのビデオ会議や業務通信は安定しているか
- 特定の時間帯だけ遅延するか
- ゲーム内で表示されるPing値やパケットロスの表示に変化があるか
- ルーターや回線終端装置のランプに異常がないか
- ゲームの公式情報などで、サーバー障害が案内されていないか
特定のゲームだけで遅延し、ほかの通信は安定している場合は、ゲーム側のサーバーや経路の問題も考えられます。一方、ビデオ会議やほかの通信も同時に不安定なら、Wi-Fi、ルーター、家庭内の通信混雑、インターネット回線を優先して確認します。
テレワークとゲームの同時利用で遅延する原因のまとめ
テレワーク中のゲーム遅延は、回線やWi-Fiの混雑、ビデオ会議の上り通信、VPN、ルーターの処理、端末の負荷などが主な原因です。まずはゲームのダウンロードやクラウド同期を止め、ゲーム端末を有線接続し、ビデオ会議とゲームで同時に通信が混雑していないか確認してください。
それでも改善しない場合は、遅延が通信全体で起きているのか、特定のゲームだけで起きているのかを切り分けると、次に確認すべき場所が分かります。







