オンラインゲームのパケットロスは、ゲーム内の通信情報、コマンドプロンプトの「ping」、経路を調べる「pathping」などで確認できます。ゲーム内だけでなく、ルーターやゲームサーバーまでの通信を分けて調べると、原因が自宅のWi-Fiなのか、通信経路なのかを判断しやすくなります。
まずゲーム内の通信情報を確認する
ゲームに通信状態を表示する機能がある場合は、最初に確認してください。ゲームによって表示名は異なりますが、「ネットワーク統計」「通信グラフ」「パフォーマンスグラフ」「パケットロス」などの項目で表示されます。
- パケットロス率(%)
- Pingやレイテンシー(通信の往復時間)
- 送受信データ量
- 通信エラーや接続状態
パケットロス率が継続して0%を超えている場合、入力遅延、キャラクターの巻き戻り、突然の切断などが起きる可能性があります。ただし、一時的な表示やゲーム側のサーバー処理によっても挙動が変わるため、ゲーム内の数値だけで原因を断定しないでください。
Windowsのpingでパケットロスを確認する方法
Windowsでは、コマンドプロンプトから「ping」を実行すると、指定した機器との通信でパケットロスが発生しているか確認できます。まずは自宅のルーターを対象にして、Wi-FiやLAN内の問題を調べます。
- キーボードの「Windows」キーを押し、「cmd」または「コマンドプロンプト」と入力します。
- コマンドプロンプトを開きます。
ipconfigと入力して実行し、「デフォルト ゲートウェイ」のIPアドレスを確認します。- 次のように入力します。IPアドレスは、自分の環境で表示されたものに置き換えてください。
ping -n 50 192.168.1.1
上の例では、ルーターに対して50回通信します。実行結果の最後に表示される「損失」の数値を確認してください。
- 損失 0%:この測定中は、パソコンからルーターまでのパケットロスは確認されませんでした。
- 損失が1%以上:Wi-Fiの電波状態、LANケーブル、ルーター、パソコン側の負荷などを確認する必要があります。
このテストで分かるのは、パソコンから自宅のルーターまでの状態です。ゲームサーバーまでの通信状態を直接示すものではありません。
ゲームサーバーまでのパケットロスを確認する方法
ゲームサーバーのIPアドレスが分かる場合は、そのIPアドレスに対してpingを実行します。
ping -n 50 ゲームサーバーのIPアドレス
たとえば、対象のIPアドレスが「203.0.113.10」なら、次のように入力します。
ping -n 50 203.0.113.10
結果の「損失」を確認し、パケットロスが継続して発生しているかを見ます。ただし、ゲームサーバーによってはpingへの応答を制限または無効にしていることがあります。その場合、損失100%と表示されても、ゲームの通信が実際にすべて失われているとは限りません。
また、ゲームサーバーのIPアドレスが分からない場合、適当なWebサイトやDNSサーバーにpingを実行しても、ゲームサーバーとの通信状態の確認にはなりません。ゲーム内の通信情報や、ゲーム運営会社が案内する接続先を優先してください。
pathpingで通信経路ごとの問題を調べる
Windowsの「pathping」は、パソコンから指定先までの経路と、各経路上でのパケットロスを調べるコマンドです。ゲームサーバーのIPアドレスが分かる場合に使えます。
pathping ゲームサーバーのIPアドレス
例として、次のように実行します。
pathping 203.0.113.10
pathpingは測定に時間がかかることがあります。結果では、ルーターからインターネット上の中継機器を経由して、指定先へ到達する経路が表示されます。
途中の中継機器だけにパケットロスが表示され、その後の経路や最終的な宛先ではロスが表示されない場合、単にその中継機器が測定用パケットへの応答を制限している可能性があります。途中の1か所にロスが表示されたというだけで、その機器が原因とは判断できません。
最終的な宛先まで継続してロスが発生し、ゲーム内の症状も同じ時間帯に起きている場合は、回線事業者やゲーム運営会社への相談材料になります。
パケットロスの発生場所を切り分ける
次の順番で調べると、パケットロスがどこで起きているかを整理できます。
| 確認先 | 分かること | ロスがある場合に考えられる原因 |
|---|---|---|
| 自宅ルーター | パソコンからルーターまでの通信 | Wi-Fi、LANケーブル、ルーター、端末の問題など |
| ゲームサーバー | ゲームサーバーまでの通信 | 回線、通信経路、サーバー側の応答制限など |
| ゲーム内の表示 | ゲームが認識している通信状態 | ゲームサーバー、ゲームクライアント、回線状態など |
たとえば、ルーターへのpingでロスが発生するなら、自宅内のWi-Fiや機器を先に確認します。ルーターへのpingは安定しているのにゲームサーバーへのpingやゲーム内表示で問題が出るなら、インターネット回線、経路、ゲームサーバー側などを分けて確認します。
パケットロスが起きているときの確認手順
- ゲーム内の通信表示を記録する:パケットロス率やPingが上がる時間帯、発生頻度、特定のゲームだけで起きるかを確認します。
- ルーターへpingを実行する:
ipconfigでデフォルトゲートウェイを調べ、ping -n 50 ルーターのIPアドレスを実行します。 - 接続方法を変えて比較する:Wi-Fi接続なら、有線LANで同じ測定を行います。有線で改善する場合は、Wi-Fiの電波干渉や距離などが関係している可能性があります。
- ゲームサーバーへの通信を確認する:対象のIPアドレスが分かる場合は、同じようにpingまたはpathpingを実行します。
- 発生時間をそろえて比較する:ゲーム内の症状とコマンドの測定結果が同じ時間帯に悪化しているか確認します。
測定中にゲームを終了すると状態が変わることがあるため、可能なら同じ時間帯に、ゲーム内表示とコマンドの結果を確認します。ただし、コマンドの実行結果だけでゲームサーバーの障害や回線事業者の障害を確定することはできません。
「Pingが高い」と「パケットロス」は別の問題
Pingが高い状態は、通信の往復に時間がかかっていることを示します。一方、パケットロスは送信したパケットが宛先に届かない、または応答が戻らない状態です。
- Pingが高く、ロスがない:通信経路が遠い、回線が混雑しているなどの可能性があります。
- Pingは低いが、ロスがある:短い遅延でも通信が欠けている可能性があります。
- Pingもロスも不安定:Wi-Fi、回線混雑、機器、通信経路などを切り分ける必要があります。
そのため、速度測定でダウンロード速度が十分に出ていても、オンラインゲーム中のパケットロスがないとは限りません。ゲーム内の表示やpingの損失結果を、発生時刻と合わせて確認してください。
パケットロスの確認結果を相談に使うときのポイント
通信会社やゲーム運営会社へ相談する場合は、次の情報をまとめると状況を伝えやすくなります。
- 発生した日時と頻度
- ゲーム内に表示されたパケットロス率やPing
- ルーターへのpingの結果
- ゲームサーバーへのpingやpathpingの結果
- Wi-Fiと有線LANでの違い
- 特定のゲームだけで起きるか、複数のゲームで起きるか
確認の最初の手順は、ゲーム内の通信情報を表示し、その後にルーターへ50回程度のpingを実行することです。ルーターでロスが出るかどうかで、自宅内の接続を先に調べるべきか、ゲームサーバーまでの通信を調べるべきかを判断できます。







