NATタイプとは、インターネット上の機器と、家庭内ネットワークの機器がどのように接続されているかを示す区分です。オンラインゲームでは、ほかのプレイヤーとの通信やボイスチャット、マッチングのしやすさに影響することがあります。
NATタイプは、ゲーム機やサービスによって表示方法や判定基準が異なります。たとえば、PlayStationでは「NATタイプ1・2・3」、Nintendo Switchでは「NATタイプA〜F」と表示されます。
NATとは何か
NATは、家庭内ネットワークで使うプライベートIPアドレスと、インターネット側のグローバルIPアドレスを変換する仕組みです。家庭のルーターがNATを行うことで、複数の機器が1つのインターネット回線を共有できます。
たとえば、同じ家庭のゲーム機、スマートフォン、パソコンが、それぞれ異なる家庭内IPアドレスを使いながら、1つの回線でインターネットへ接続できます。
オンラインゲームのNATタイプの違い
NATタイプは、ゲーム機がほかの機器とどの程度通信できるかを表す目安です。表示名は機器によって違いますが、一般的には次のように考えられます。
| 表示例 | 通信の傾向 | 起こりやすいこと |
|---|---|---|
| NATタイプ1・A | 制限が少ない | ほかのプレイヤーと接続しやすい |
| NATタイプ2・B | ルーターを経由するが、通常は通信できる | オンラインゲームを利用しやすい |
| NATタイプ3・C〜F | 通信の制限が多い | マッチング、ボイスチャット、対戦相手との接続で問題が起きる場合がある |
この表は一般的な傾向です。NATタイプの判定方法や表示内容は、ゲーム機、ゲームタイトル、通信回線によって異なります。
PlayStationのNATタイプ1・2・3
PlayStationでは、NATタイプ1はゲーム機がルーターを使わずインターネットへ接続している状態、NATタイプ2はルーターを経由している一般的な状態、NATタイプ3は通信に制限がある状態を指すことが多いです。
通常の家庭用ルーターを使っていてNATタイプ2になっている場合、基本的には問題ありません。 NATタイプ1にすることが必ずしも必要とは限らず、ゲームの利用目的ではNATタイプ2で十分なケースがあります。
Nintendo SwitchのNATタイプA〜F
Nintendo Switchでは、NATタイプAが比較的接続しやすく、Bも多くのオンライン通信に対応しやすい区分です。C、D、Fになるほど通信制限が大きくなり、ほかのプレイヤーとの接続に失敗しやすくなる傾向があります。
ただし、NATタイプがBだから必ずすべての通信ができる、またはCだから必ず利用できない、という意味ではありません。ゲームタイトルや接続相手のNAT環境によって結果が変わります。
NATタイプが悪いと何が起きる?
NATタイプに制限があると、オンラインゲームで次のような問題が起きる場合があります。
- マッチングに時間がかかる
- 特定のプレイヤーと対戦できない
- ボイスチャットにつながらない
- 協力プレイの部屋に参加できない
- 通信エラーが表示される
ただし、ラグや切断の原因がすべてNATタイプとは限りません。通信速度、回線の混雑、Wi-Fiの電波状態、ゲーム側の障害、サーバーとの距離なども影響します。
NATタイプはどれなら問題ない?
一般的には、PlayStationならNATタイプ2、Nintendo SwitchならNATタイプAまたはBであれば、まずはそのまま利用できます。 NATタイプ1やAを目指す必要があるとは限りません。
実際にオンラインゲーム、マッチング、ボイスチャットが問題なく使えているなら、表示されたNATタイプだけを理由に設定を変更する必要はありません。
一方、通信エラーや特定の相手との接続不良が続く場合は、NATタイプだけでなく、ルーターや回線の構成も確認します。
NATタイプを改善する方法
NATタイプを改善するには、ゲーム機とルーターの通信を妨げている原因を順番に確認します。設定を変更する前に、現在の接続状況を記録しておくと、問題が起きたときに元へ戻しやすくなります。
- ゲーム機とルーターを再起動する
ゲーム機を終了し、ルーターの電源を切ります。しばらく待ってからルーター、ゲーム機の順に起動し、NATタイプを再確認します。 - 二重ルーターになっていないか確認する
ホームゲートウェイと無線ルーターなど、ルーター機能を持つ機器を2台使っていると、NATが重複する場合があります。ルーター機能をどの機器が担当しているか確認します。 - 有線接続で試す
可能であれば、ゲーム機をLANケーブルでルーターに接続します。Wi-Fiの電波干渉が原因かどうかを切り分けられます。 - ルーターのUPnP設定を確認する
UPnPは、ゲーム機などが必要な通信ポートを自動で利用しやすくする機能です。ルーターにこの機能がある場合は、説明書や管理画面で設定を確認します。 - ゲーム機の接続テストを実行する
設定変更後、ゲーム機のインターネット接続テストを実行し、NATタイプだけでなく、通信速度やエラー表示も確認します。
ポート開放やDMZ設定を使う方法もありますが、設定を誤ると通信やセキュリティに影響する可能性があります。実施する場合は、ルーターとゲーム機の公式説明を確認し、必要な範囲に限定してください。
NATタイプが改善しない場合に確認すること
ルーターを設定しても改善しない場合、回線事業者や契約している接続方式の影響を受けている可能性があります。特に、マンションの共有回線や、複数の利用者でグローバルIPアドレスを共有する接続方式では、利用者側の設定だけでNATタイプを変更できないことがあります。
- ルーターが2台以上接続されていないか
- ゲーム機がゲストWi-Fiに接続されていないか
- 携帯電話回線やモバイルルーターを使っていないか
- 回線事業者側のNATを経由していないか
- ゲームやサービス側で障害が起きていないか
原因を切り分けるときは、NATタイプの表示だけでなく、別のゲームや別の接続方法でも同じ問題が起きるかを確認します。
NATタイプについてのよくある誤解
NATタイプ1が最も安全とは限らない
NATタイプ1は通信制限が少ない一方、ゲーム機がルーターを経由しない接続を示すことがあります。そのため、NATタイプの数字だけで安全性や通信品質の優劣を決めることはできません。
NATタイプが良くてもラグは起きる
NATタイプは接続方法の目安であり、通信の速さや遅延を直接示す数値ではありません。NATタイプが良好でも、Wi-Fiの混雑や回線の遅延によってラグが起きることがあります。
NATタイプを変えれば必ず接続できるわけではない
相手側の通信環境、ゲームのサーバー、ゲームタイトルの仕様などが原因の場合、NATタイプを変更しても問題が解決しないことがあります。
NATタイプの結論
NATタイプとは、ゲーム機などがインターネット上の機器とどの程度通信しやすいかを示す目安です。PlayStationではNATタイプ2、Nintendo SwitchではNATタイプAまたはBなら、まずは通常利用できる範囲と考えられます。
通信に問題がないなら変更は不要です。接続エラーが続く場合は、ゲーム機とルーターの再起動、二重ルーター、Wi-Fi環境、回線事業者側のNATを順番に確認してください。







