ゲーム回線のCGNATとNATタイプの関係とは?

ゲーム回線のCGNATとNATタイプの関係とは?

CGNATは、ゲーム機に表示されるNATタイプそのものではありません。CGNATは通信事業者側でIPv4アドレスを共有する仕組み、NATタイプはゲーム機から見た「オンライン対戦やボイスチャットの接続しやすさ」を示す分類です。

ただし、CGNATによって外部から自宅回線へ接続しにくくなるため、ゲーム機のNATタイプが「タイプ3」「Strict」などになる原因の一つになることがあります。実際の判定は、利用回線の方式、ルーターの設定、ゲーム機やゲームサービスの仕様によって変わります。

CGNATとNATタイプの違い

項目 CGNAT NATタイプ
何を指すか 通信事業者側で複数の利用者がIPv4アドレスを共有する仕組み ゲーム機やゲームサービスが判定する接続状態の分類
主な場所 通信事業者の設備と利用者側ルーターの間 ゲーム機やゲームサービスの接続診断
影響 外部から自宅回線へ接続しにくくなることがある マッチング、ボイスチャット、他のプレイヤーとの接続に影響することがある
代表的な表示 ゲーム機に直接「CGNAT」と表示されるとは限らない PlayStationのタイプ1・2・3、XboxのOpen・Moderate・Strictなど

つまり、CGNATは原因になり得る仕組みで、NATタイプはその結果として現れる接続状態の目安と考えると分かりやすいでしょう。

CGNATだとNATタイプが悪くなりやすい理由

CGNATでは、利用者のルーターに割り当てられたIPv4アドレスが、インターネット上でそのまま使える固有のアドレスではない場合があります。通信事業者側の設備でもアドレス変換を行うため、自宅ルーターだけでなく、通信事業者側にもNATが存在する状態になります。

このように、利用者側と通信事業者側で二重にアドレス変換が行われる状態は、一般に二重NATと呼ばれます。ゲーム機から外部へ接続する通信はできても、外部のプレイヤーから自宅側へ戻る接続や、機器同士の直接通信が成立しにくくなることがあります。

その結果、次のような症状が起きる場合があります。

  • NATタイプがタイプ3やStrictになる
  • 特定のプレイヤーとマッチングできない
  • ボイスチャットに参加できない、または接続が不安定になる
  • ホストになる通信や、一部の対戦機能が使いにくい
  • ゲームによっては、マッチングに時間がかかる

ただし、CGNATだから必ずNATタイプが悪くなるわけではありません。ゲームサービス側の中継サーバーや接続方式によっては、CGNAT環境でも問題なく遊べることがあります。

ゲーム機のNATタイプからCGNATか判断できる?

NATタイプだけでは、CGNATの利用を確定できません。タイプ3やStrictの場合でも、自宅ルーターの設定、二重ルーター、UPnPの状態、回線障害など、別の原因が考えられます。

反対に、CGNATを利用していても、ゲーム機で比較的良好なNATタイプが表示される場合があります。そのため、NATタイプは「ゲーム上の接続状態を確認するもの」、CGNATの確認は「ルーターや回線のアドレス構成を確認するもの」と分けて考えます。

CGNATを確認する基本的な方法

  1. ルーターの管理画面を開き、インターネット側に割り当てられているIPv4アドレスを確認します。
  2. 同じ通信機器で表示される「WAN側IPアドレス」「接続先IPアドレス」などの項目を確認します。
  3. 別の端末で表示したグローバルIPv4アドレスと、ルーターのWAN側IPv4アドレスを比べます。
  4. 両者が一致しない場合は、通信事業者側でNATが行われている可能性があります。

ルーターのWAN側アドレスが、たとえば100.64.0.0〜100.127.255.255の範囲にある場合は、通信事業者向けの共有アドレス帯である可能性があります。また、10.0.0.0〜10.255.255.255、172.16.0.0〜172.31.255.255、192.168.0.0〜192.168.255.255などのプライベートアドレスが表示される場合も、上位の機器や通信事業者側でNATが行われている可能性があります。

ただし、ルーターの表示方法やIPv4・IPv6の接続方式によって確認結果は変わります。アドレスが一致しないだけでCGNATと断定せず、契約している回線事業者にも確認してください。

CGNATと自宅の二重NATは同じではない

自宅内の二重NATとCGNATは、似た症状を起こしますが、発生場所が違います。

たとえば、ホームゲートウェイの下に別のWi-Fiルーターをルーターモードで接続すると、自宅内で二重NATになることがあります。この場合は、ホームゲートウェイまたはWi-Fiルーターをブリッジモード、アクセスポイントモードなどに変更することで改善できる可能性があります。

一方、CGNATは通信事業者側の設備で行われます。自宅のルーター設定だけでは、通信事業者側のNATを解除できません。

状態 主な原因 自宅での対処可能性
自宅内の二重NAT ルーターを2台ともルーターモードで使用している 構成変更で改善できる可能性がある
CGNAT 通信事業者側でIPv4アドレスを共有している 回線事業者への相談や接続方式の変更が必要になることがある
単一ルーターのNAT 自宅ルーターが1台だけアドレス変換している UPnPなどの設定で改善する場合がある

CGNATでNATタイプが悪いときの対処法

まずは、原因がCGNATなのか、自宅内の設定なのかを切り分けます。次の順番で確認すると、設定変更の重複を避けやすくなります。

  1. ゲーム機を再起動し、NATタイプを再テストします。
  2. ホームゲートウェイ、ONU、ルーターなどの構成を確認し、ルーターが複数台ルーターモードになっていないか調べます。
  3. ルーターのUPnP機能を使う場合は、対応状況と設定を確認します。設定変更後は、ルーターとゲーム機を再起動して再テストします。
  4. ルーターのWAN側IPv4アドレスと、外部から確認したIPv4アドレスが一致するか確認します。
  5. 一致しない場合や100.64.0.0/10のアドレスが表示される場合は、回線事業者に「CGNATを利用しているか」「グローバルIPv4を利用できるか」を問い合わせます。

グローバルIPv4を利用できるか回線事業者に確認する

CGNATが原因と考えられる場合、回線事業者によっては、グローバルIPv4の割り当て、固定IPv4、ポート開放に対応した接続方式などを案内していることがあります。提供内容、追加料金、申込条件は事業者や契約プランごとに異なるため、一般化はできません。

問い合わせるときは、次の点を具体的に聞くと判断しやすくなります。

  • 現在の契約がCGNAT方式か
  • ゲーム機でポート開放や外部からの着信を利用できるか
  • グローバルIPv4を利用できるか
  • 変更に料金や契約期間の条件があるか
  • IPv6接続時に利用できるゲームや機器の条件があるか

IPv6なら必ずNATタイプが改善する?

IPv6に対応しているだけで、必ずNATタイプが改善するとは限りません。回線がIPv6に対応していても、ゲーム機、ルーター、ゲームサービスのすべてがIPv6通信に対応している必要があります。

また、IPv6を使っていても、IPv4通信は別の方式でCGNATを経由している場合があります。たとえば、IPv6でインターネットへ接続しながら、IPv4通信を事業者側の変換設備で処理する接続方式もあります。

そのため、「IPv6対応」という表示だけで判断せず、ゲーム機が実際にどの通信方式を使っているか、契約回線がゲーム機の通信に対応しているかを確認してください。

VPNでNATタイプを改善できる?

VPNを経由すると接続経路や外部から見えるアドレスが変わるため、環境によってはCGNATによる接続制限を回避できる場合があります。ただし、VPNのサービスや設定がゲーム機に対応しているとは限らず、通信遅延が増えたり、NATタイプが改善しなかったりすることもあります。

したがって、VPNはすべての利用者に共通する解決策ではありません。まずは自宅内の二重NATの有無と、回線事業者が提供するグローバルIPv4・IPv6の条件を確認するのが基本です。

CGNATとNATタイプを判断するときの要点

ゲーム機のNATタイプが悪いときは、NATタイプだけでCGNATと決めつけないことが重要です。自宅内の二重NAT、UPnP、ルーターの構成、ゲーム側の通信方式も確認してください。

ルーターのWAN側IPv4アドレスと外部から見えるIPv4アドレスが異なる場合は、CGNATや上位機器のNATが疑われます。CGNATが原因なら、自宅設定だけで解決できないことがあるため、回線事業者にグローバルIPv4や対応する接続方式の利用条件を確認しましょう。