ゲーム回線のジッターはどう測定する?

ゲーム回線のジッターはどう測定する?

ゲーム回線のジッターは、同じ宛先へ何度も ping を送り、応答時間のばらつきを調べて測定します。測定には、ゲーム機やパソコンから実際に接続するサーバーに近い宛先を使うことが重要です。速度測定サイトの「ジッター」も参考になりますが、ゲームサーバーとの通信状態をそのまま示すとは限りません。

ジッターとは通信遅延のばらつき

ジッターは、パケットが相手へ届くまでの時間、つまり遅延(ping値)の変動を表す指標です。たとえば、ping値が毎回20ms前後なら安定していますが、20ms、80ms、35msのように変化するとジッターが大きい状態です。

オンラインゲームでは、平均的なping値が低くてもジッターが大きいと、操作の反映が一時的に遅れたり、キャラクターが瞬間移動したりすることがあります。ただし、ゲームへの影響はジッターだけでなく、平均遅延、パケットロス、回線の混雑などにも左右されます。

まずは速度測定サイトでジッターを確認する

手軽に調べるなら、ジッターの測定項目がある速度測定サイトを利用します。測定を開始すると、通常は下り速度・上り速度・ping値とともに、ジッターが表示されます。

  1. ゲームを終了し、動画再生や大容量ダウンロードも止めます。
  2. ゲーム機やパソコンを、普段ゲームで使う接続方法にします。
  3. 可能なら、Wi-FiとLANケーブル接続を分けて測定します。
  4. 同じ条件で複数回測定し、ジッターの数値が大きく変わるか確認します。

速度測定サイトの結果は、測定サイトのサーバーまでの通信状態です。実際のゲームサーバーの所在地や経路とは異なるため、速度測定サイトでジッターが小さくても、特定のゲームだけ不安定になる場合があります。

パソコンのpingでジッターを測定する方法

より詳しく調べるには、パソコンのコマンドで同じ宛先へ複数回pingを送ります。ゲームサーバーのIPアドレスが分からない場合は、ゲームのサーバーに近い地域の測定先や、普段利用しているサービスの接続先を使います。

Windowsの場合

Windowsでは、コマンドプロンプトを開き、次のように入力します。「example.com」の部分は、測定したいホスト名またはIPアドレスに置き換えてください。

ping -n 50 example.com

「-n 50」は、pingを50回送る指定です。結果には各回の応答時間と、最後に最小・最大・平均の応答時間が表示されます。

MacやLinuxの場合

ターミナルを開き、次のコマンドを実行します。

ping -c 50 example.com

「-c 50」は、pingを50回送る指定です。Windowsと同じく、各回の応答時間と最小・最大・平均値を確認できます。

pingの結果からジッターを計算する方法

pingの出力に「jitter」と表示されない場合は、各回の応答時間からばらつきを計算します。ジッターには複数の計算方法があるため、測定ツールによって数値が一致しないことがあります。

簡単な目安として、次の方法で計算できます。

ジッターの簡易値 = 最大ping値 − 最小ping値

たとえば、50回の結果が最小15ms、最大42msだった場合は、次の計算になります。

42ms − 15ms = 27ms

この場合、測定中の応答時間の幅は27msです。ただし、最大値が一度だけ発生した場合も含まれるため、通常の変動を正確に表すとは限りません。

より実態に近い計算方法

隣り合うping値の差をそれぞれ計算し、その差の平均を求める方法もあります。これは、連続する通信遅延がどの程度変化したかを見る計算です。

平均的な変動幅 = 隣り合うping値の差の絶対値の平均

たとえば、ping値が20ms、24ms、19ms、40msだった場合、隣り合う差は4ms、5ms、21msです。平均的な変動幅は、(4+5+21)÷3=10msとなります。

この値は、測定ツールが表示するジッターと同じ計算方法とは限りません。比較するときは、同じツール、同じ宛先、同じ測定回数で調べてください。

ゲーム回線のジッターを正しく測る条件

測定結果をゲーム中の状態に近づけるには、測定する宛先と接続環境をそろえることが大切です。

  • ゲームで使う機器から測る:パソコンの結果を、ゲーム機の結果として扱わないようにします。
  • 接続方法をそろえる:Wi-FiとLANケーブルでは、電波干渉や距離の影響が異なります。
  • 時間帯を変えて測る:夜間など、回線が混雑しやすい時間にも確認します。
  • 複数回測る:1回だけの測定では、一時的な遅延を判断しにくいためです。
  • 通信中にも測る:ゲームや動画視聴、アップロード中にジッターが増えるか確認します。

特に、何もしていないときは安定しているのに、動画視聴やファイルのアップロード中だけpingが大きく変化する場合は、宅内ネットワークの混雑が関係している可能性があります。ただし、pingだけでは原因を特定できません。

ジッターの数値はどう判断する?

ジッターに全国共通の「この数値なら必ず問題が起きる」という基準はありません。ゲームの種類、サーバーまでの距離、平均ping、パケットロス、測定方法を一緒に確認する必要があります。

測定結果の傾向 考えられる状態 確認すること
pingが低く、変動も小さい 遅延が比較的安定している ゲーム中のパケットロスやサーバー側の障害
平均pingは低いが、ときどき大きく上がる 一時的な混雑や電波干渉の可能性 時間帯、Wi-Fi、同時通信の有無
pingの変動が大きく、操作遅延もある 通信経路や宅内ネットワークが不安定な可能性 有線接続、ルーター、パケットロス
pingは安定しているが、ゲームだけ重い ゲームサーバーやゲーム機側など別の原因の可能性 ゲーム内の障害情報、フレームレート、端末状態

判断するときは、1回の最大値だけでなく、複数回測定したときに変動が繰り返し発生するかを見ます。ゲーム中にラグを感じた時刻と、測定したpingの変化を照らし合わせると、回線由来かどうかを切り分けやすくなります。

ジッターが大きいときに最初に試すこと

最初は、Wi-Fiの影響を切り分けるために、ゲーム機やパソコンをLANケーブルでルーターへ接続して同じ測定を行います。LAN接続で改善するなら、無線の電波干渉、距離、周波数帯、同時接続機器などを確認します。

LAN接続でも変化が大きい場合は、次の条件で比較します。

  1. 何も通信していない状態でpingを測定します。
  2. 動画視聴や大容量ダウンロード中に同じ宛先を測定します。
  3. 昼間と夜間など、時間帯を変えて測定します。
  4. 別の宛先でも測定し、特定の経路だけで起きるか確認します。
  5. パケットロスがないか、ping結果のタイムアウト表示を確認します。

特定の宛先だけでジッターが大きい場合は、そのゲームのサーバーや通信経路側の影響も考えられます。一方、複数の宛先で同じ時間帯に変動する場合は、自宅のネットワーク機器や回線の混雑などを調べる材料になります。

ゲーム回線のジッター測定で分かること

ゲーム回線のジッターは、速度の速さではなく、通信遅延が安定しているかを確認するために測定します。速度測定サイトでは手軽に数値を確認でき、pingコマンドでは各回の変化やパケットロスを詳しく調べられます。

まずはゲームで使う機器から50回程度pingを送り、時間帯と接続方法を変えて結果を比較してください。ジッターだけで結論を出さず、平均ping、最大値、パケットロス、ゲーム中に症状が出るタイミングも合わせて判断することが重要です。