ゲーム回線のジッターはどう測定する?

ゲーム回線のジッターはどう測定する?

ゲーム回線のジッターは、通信の遅延(ping値)がどれだけ揺れているかを測定します。1回だけpingを確認しても判断できないため、同じ接続先へ一定回数の通信を送り、RTT(往復遅延時間)のばらつきを調べます。ゲームをプレイする時間帯や、通信を使っている機器の有無でも結果は変わります。

ゲーム回線のジッターを測定する基本方法

まず、ゲームのサーバーに近い測定先へ、30〜60回程度pingを送ります。測定結果では、平均値だけでなく、最小値・最大値・標準偏差、パケットロスも確認してください。

  1. ゲーム機やパソコンを、普段ゲームをする接続方法にします。Wi-Fiで遊ぶならWi-Fi、有線LANで遊ぶなら有線LANで測定します。
  2. ゲーム中に接続するサーバー、または地域が近いテスト用サーバーを決めます。
  3. 他の機器で動画視聴や大容量ダウンロードをしていない状態で測定します。
  4. 同じ測定先へ30〜60回pingを送ります。
  5. 通信を使っている状態でも同じ測定を行い、遅延の増加やばらつきを比較します。

ゲームサーバーのホスト名やIPアドレスが分からない場合は、近い地域のサーバーを使います。ただし、測定先と実際のゲームサーバーでは経路が異なるため、測定値はゲーム中のジッターそのものではなく、回線状態を判断する目安です。

Windowsで測定する方法

Windowsでは、コマンドプロンプトからpingを実行できます。次の「example.com」の部分を、測定したいサーバーのホスト名やIPアドレスに置き換えてください。

ping -n 60 example.com

表示される「時間」の値が、各回のRTTです。たとえば「時間=20ms」「時間=25ms」「時間=48ms」のように大きく変化していれば、遅延が安定していない可能性があります。

最後に表示される統計では、次の項目を確認します。

  • 損失:応答が返らなかった割合。パケットロスを示します。
  • 最小:最も短かったRTT。
  • 最大:最も長かったRTT。
  • 平均:測定したRTTの平均値。

Windowsの標準pingは、一般的な意味での「ジッター」という数値を直接表示しません。そのため、最小値と最大値の差や、各回の値の揺れを確認します。より数値化したい場合は、PowerShellでRTTのばらつきを計算できます。

$target = "example.com"
$count = 60

$results = @(Test-Connection -TargetName $target -Count $count -ErrorAction SilentlyContinue)
$rtt = @($results | ForEach-Object { [double]$_.Latency })

if ($rtt.Count -gt 1) {
    $average = ($rtt | Measure-Object -Average).Average
    $differences = for ($i = 1; $i -lt $rtt.Count; $i++) {
        [math]::Abs($rtt[$i] - $rtt[$i - 1])
    }
    $jitter = ($differences | Measure-Object -Average).Average

    "応答数: $($rtt.Count)/$count"
    "平均RTT: $([math]::Round($average, 2)) ms"
    "平均変動幅: $([math]::Round($jitter, 2)) ms"
} else {
    "応答が少ないため、計算できません。"
}

この例で表示される「平均変動幅」は、隣り合うRTTの差の絶対値を平均したものです。ジッターには複数の計算方法があるため、すべての測定サービスで同じ数値になるわけではありませんが、ゲーム回線の揺れを比較する指標として使えます。

MacやLinuxで測定する方法

ターミナルを開き、次のコマンドを実行します。

ping -c 60 example.com

結果の最後に、最小値・平均値・最大値と、ばらつきを示す値が表示されます。Linuxでは「mdev」、macOSでは「stddev」と表示されることがあります。これはRTTの標準偏差で、値が大きいほど遅延が平均値から離れている傾向を示します。

ただし、標準偏差はジッターの計算方法の一つです。ゲーム回線の比較では、同じ端末・同じ測定先・同じ回数で測定し、結果の変化を見ることが重要です。

ジッターの数値はどう判断する?

ジッターだけで「快適」「不快」を一律に決めることはできません。平均RTT、ジッター、パケットロス、測定中の最大値を合わせて判断します。

測定結果 考えられる状態
平均RTTが低く、ばらつきも小さい 遅延が比較的安定している
平均RTTは低いが、最大値がときどき大きい 一時的な遅延の跳ね上がりがある
平均RTTと最大値の差が大きい ジッターが大きい可能性がある
パケットロスが発生している ジッターとは別に、通信データの欠落が起きている

たとえば、RTTがほぼ20〜25msで推移する場合と、通常は20msでも数回だけ150msになる場合では、平均値が近くてもプレイ中の体感は異なる可能性があります。後者は、操作の反映が一時的に遅れたり、キャラクターの位置が戻ったりする原因になり得ます。

なお、ジッターの許容範囲はゲームの種類、通信方式、ゲーム側の補正処理によっても変わります。特定の数値だけで回線の良し悪しを断定しないでください。

通信を使っている状態でも測定する

ゲーム中に動画視聴や大容量通信が同時に起きると、回線の混雑によって遅延が揺れることがあります。そのため、何も通信していない状態だけでなく、実際の利用環境でも測定します。

  1. 他の端末で動画視聴やファイルのダウンロードをしていない状態でpingを測定します。
  2. 別の端末で動画再生やアップロードなど、普段発生する通信を行います。
  3. 同じ測定先へ、同じ回数のpingを送ります。
  4. 平均RTT、最大RTT、ばらつき、パケットロスを比較します。

通信中だけ最大RTTやばらつきが大きくなる場合は、回線の混雑や、ルーターの処理による遅延増加が考えられます。この現象は、通信量が増えたときに遅延が膨らむ「バッファブロート」と関係することがあります。

測定結果を見るときの注意点

pingはICMPという通信を使うため、ゲームが使うUDP通信などとは扱いが異なる場合があります。そのため、pingのジッターが小さくても、実際のゲームサーバーとの通信が同じ状態とは限りません。

また、Wi-Fiでは電波干渉や距離によって結果が変わります。原因を切り分けるときは、同じ時間帯に有線LANでも測定し、有線でばらつきが小さくなるかを比較すると判断しやすくなります。

測定結果を比較するときは、次の条件をそろえてください。

  • 同じ測定先
  • 同じ端末
  • 同じ接続方法
  • 同じ時間帯
  • 同じ測定回数
  • 通信がない状態か、通信中かという条件

ゲーム回線のジッターは、pingを1回確認するのではなく、複数回のRTTのばらつきとして測定します。Windowsでは「ping -n 60」、MacやLinuxでは「ping -c 60」を使い、平均値だけでなく最大値・パケットロス・ばらつきを確認してください。実際のゲームで問題が起きる場合は、ゲームサーバーに近い測定先や、普段の通信が発生している状態でも比較することが重要です。